1999年 8月20日  恵比寿ガーデンホール
No 1   ゆうこさんより  (8/28掲載)

   開演5分前にチケットを手に入れ、あわただしく席につくとすぐ、ステージの左から初日と同じように千春登場。
 
でも、初日と違うのは、「ち〜はる〜!!!」のコールの中、登場すると開口一番「みなさんっ!大変長らくお待たせ致しました!」と、あのおなじみの元気な言葉が飛び出したことです。
 
初日は私達も緊張していたし、そう言えば確か千春コールもなかったような・・・・。千春も無言でステージに登場して椅子に座るといきなり、「旅立ち」歌い出したと思います。
 
でも今日はいつものように元気いっぱいの登場でした!
 
「正規のルートでチケットを手に入れ方、金券ショップ、またはダフ屋などから買われた方、(苦笑)いろいろいられることと思いますが、それでも高くなかった!と思えるように精一杯歌いたいと思います!」(拍手拍手)
 
ガーデンプレイスにボーっと座っているとき話しかけてきたダフ屋さんが、「あの年でこんなにダフ屋が出るのは、千春と郷ひろみぐらいだな」と言っていました。
 
と、まだ1曲目も始まっていないのにもうこんなに書いてしまって、先を急ぎましょう。
 
元気な千春の最終日1曲目は「俺の人生」。
これ、千春の曲の中でもSTANCEやISHIと同系列にある曲ですよね。弾き語りで聞いても迫力ありました。
 
2曲目 あたい
なんて懐かしい曲でしょうか。千春も何となく懐かしそうに気分よく歌ってました。これ千春のコンプレックスの裏返しのような歌でしょうか。そう言えば、馬場さんの話になったとき、「馬場さんはあれだけの人なのに、最後まで野球で大成しなかったこと気にしてたなあ。でも、それだからこそあんなにプロレスに打ちこめたんだろうなあ。そう考えたら、コンプレックスっていいよな。」みたいなこと言ってました。
 
これきっと自分に向かって言っているんですよね。私も子供の頃からコンプレックスほんとにたくさんあって、一時はコンプレックスと一緒に討ち死にしそうな悲壮な状況でした。でも、いつの頃からかコンプレックスって自分をうつす鏡なんだって。だから、チラッと横目で見るだけでいじいじしてないで、真正面から堂々と見てみようって。そうしたら、コンプレックスのある自分を隠さないで少しずつ出せるようになってきたんですよね。だって、これが「あたい」なんだから。(^.^)ほかの誰とも取り替えることができない、だからこそ大切な「あたい」なんだから。
 
な〜んてことを考えながら、聞いてました「あたい」。
 
3曲目 初恋
4曲目 旅立ち
5曲目 恋
 
「昨日チューブの前田が来てさ。勉強させてくださいっ  て。一体何を勉強するんだか。で、夜中の3時まで付き合わされてさ。で、あいつ言うんだよ。『それで明日のコンサート声が出なかったら、ぼくプロとして許せません。』て。お前が連れまわしたんだろうって。」というわけで、声の調子は最高とは言えませんでした。やっぱり高音部が・・・・。
千春へのお願い 喉は大切にしてくださいね!
 
それから 
「手が痛いんだよなあ。こんなにギター弾いたの久しぶりだもんな。お前達、弦押さえる左手が痛いと思うだろう?ところが、右手なんだよな、痛いの。もうしばらくは弾き語りやらないだろうな。」
 
というわけで、ギターの音は素人の私が聞いても「あれ?ちょっと今の音は・・・。」という感じで。
でも千春が元気なのが一番。
 
6曲目 東京
7曲目 足寄より
 
「東京」はやっぱり恵比寿を意識した曲なんでしょうね。
 
「足寄より」 コンサートで聞くのは、私は初めてでした。
 
子供の頃の話、いろいろしてくれました。
 
「おれさあ、子供の頃本当に貧乏だったんだ。おっかあは土方やってたから、いつも親父がうちにいてさ。
 
で、冬寒いときに、おれと姉貴と弟の明人(明るい人って書くんだけど、こいつが暗くてさ。学生のとき、『明人君て本当に松山君の弟?』ってよく言われた)で、部屋の真中にかたまって、「寝るな、寝たら死ぬぞ」って(爆笑)。
これ有名なMCですよね。
 
「悪いことなんでもやったな。(~_~;)以外は・・・。
あるとき警察から電話があって、『お宅の千春君にちょっとお聞きしたいことが。良くないグループに入っているようでして・・・・。』で、親父が『千春、お前やったのか。』
『はい、やりました』
『じゃ、行って来い』
それしか言わなかったなあ。それに引き換え俺のおっかあは、『千春、あんたって子は!父さんがどんな仕事しているかわかってるの!父さんの顔に泥を塗るようなことをしてっ!』って、もう殴るけるだったからなあ。でさ、それから少しして、自分は(~_~;)でつかまって、新聞に載ったんだぞ。全く、どっちが親父の顔に泥塗ってんだよな。」
 
と、千春絶好調、テンポの良いトークに会場大爆笑。
初日と比べてお客さんもリラックスしてましたよね。初日は曲のイントロ聞いて「待ってました!」の拍手全然なかったんです。今日は千春がイントロ弾くたびに、拍手拍手で、千春も気持ちよさそうでした。
 
8曲目 雑踏
9曲目 SAY
 
ストリングスの曲ですね。
さっき、「らいぶ」を読みなおしていたら、昔やったディナーショーの話が載っていて、そこにチェロの阿部さんの名前がありました。ずいぶん長い付き合いなんですね。千春は弦を入れてやってみたいとずっと思っていたそうです。でも、高いらしいですね、ギャラが。今回のチケット料金にもそれが反映されているらしいです。エルトンさんのピアノ、すごくいいです。「ユーミンが見つけてきて、昔は神童って言われたんだけど、今はただのおじさん。」
 
特に次の10曲目
挫折
初日でも一番インパクトのあった曲ですが、今回もやっぱり良かった。
でも今回は歌詞の間違いというおまけつきでしたが(^。^)
 
11曲目 ガリレオ
12曲目 Champ Never Die
 
「俺が恋愛したら、不倫て呼ばれるな。でも不倫という言葉は嫌いだな。石田純一の肩を持つわけじゃないけど、恋愛は、倫理や道徳で割り切れるものではないんだ。倫理道徳で考えているうちは恋愛ではない、それは好意を持っているという段階だな。それが分からなくなるから、恋愛なんだ。」と、ひとしきり恋愛談義に花が咲いたあとで、「俺さあ、この間うちに帰ったんだよ。そしたら娘が、中学2年生なんだけどさ、『あら、お父さん帰ってたの?』だって。そりゃ帰るさ、自分のうちなんだから。自分のうちに休憩に行ってどうするんだよ、なあ。」「うちがやけに涼しいんだよ。クーラーもないのに。そしたら、視線も涼しいんだよ。女房に悪いところはない。非は全部俺にあるんだ。うちの女房はいい女房だと思うよ。誰の女房になっても、いい女房になっていただろうな。でも、俺にはこいつしかいないのかなって・・・・。」
めずらしく神妙な面持ちの千春でした。
 
「おい、あれ歌詞持ってきてくれ、生きがい」拍手拍手・・・。というわけで、13曲目は急きょ「生きがい」「俺、ほんとに歌詞がないと歌えないんだよね。」といって歌詞カードを手に、「ごめん譜面も持ってきてくれる?弾けないんだよ。」(^。^)
 
よかったです「生きがい」。
厚生年金でも歌ってくれて、一番拍手の多かった曲です。 
 
そして アンコールへ
 
1曲目 長い夜
「みんな古い曲がいいんだよなあ。」といいながら、歌ってくれました。
「そう言えば、この曲今まで歌ってなかったな。」
なんてラッキーでしょう。聞きたかったんです、弾き語りで。
 
続いて2曲目 銀の雨
これも、まさか聞けると思っていませんでした!
久しぶりかな。フルコーラス聞いたのは・・・。
 
3曲目 午前3時
「みなさん、午前3時に逢うっていうことは、普通のOLじゃないわな。俺って、似合うんだよね、ひもみたいなの。」
 
そういえば、「何となくひも風」の曲っていくつかありますよね。 例えば、「電話」もそうかな。
 
♪それから 今度働いてみるからね
  自信はあるさ うまくやれるはず♪
 
ね、感じ出てませんか。
千春の声がきれいに響いて良かったです。
 
4曲目 君を忘れない
これkimさんの好きな曲ですね。
 
5曲目 今日限り
これも懐かしい曲。起承転結のビデオの中で、光里君と遊ぶシーンで流れていたのが印象的でした。
♪言い訳ばかりの毎日に
 さよならしたいね 今日限り
  素直になれずに生きるのは もう今日限り♪
私も、言い訳して自分を守ろうとするの辞めたいと思います。
 
千春の「そうだなあ・・・」に、客席から次々とリクエストの声が・・・。
「そう言われても、できるできないがあるから・・・・。 ねえ、ちょっと夏目いる?おい、夏目。」と客席に呼びかける千春。えっ、夏目さん来てるの?「おい、純 持ってきて。」客席から思わず歓声が・・・。すると、夏目さんが左手から登場。「なんだ、そこにいたのか。おい、純できるだろ?」心もとなげに頷く夏目さん。いきなり弾き出す。「おい、勝手に始めるなよ。俺にも準備ってものがあるだ ろ?(笑い)ああ、練習ね。いいよ、やって。」といいながら、夏目さんのピアノで歌い始めた「純」。千春、熱唱。
 
うれしいプレゼントでした。「純」が聞けるとは思っていませんでした。うれしい驚き連続のアンコール。
やっぱり、最終日来て良かった。
 
7曲目 再びストリングスで 「いつのまにか」
「レコーディングのとき、歌詞をちょっと変えたので、今日 は原曲で歌います。わかった方は、そこで手をあ
げてく ださい。(笑い)」
♪過ぎていくの 今日も明日も♪
のところが
♪過ぎていくの 僕の一日♪
になっていました。
どちらがいいと思いますか。
私は「今日も明日も」の方が好きです。
だって、「僕の一日」はそこで時が限定されてしまっている感じがするけど、「今日も明日も」はそれがずっと毎日毎日続いて行くという感じがするでしょう。その方が思いの深さが表れていると思いませんか。
 
そしてラストの曲 途上
これいい曲ですよね。
今年の恵比寿のライブを締めくくる1曲となりました。
 
最終日の千春の話の中で一番印象に残ったのは、次のくだりです。
 
「俺さあ、子供の頃本当に貧乏だったしさ、友達もあまりいなかったんだよ。だからさ、こうやってみんなと一緒にいるのとても楽しんだよね。みんなに何か伝えたいっていう気持ちがすごくあるんだ。死ぬまでステージで歌いつづけたいって思うんだ。」
 
そのとき、ステージの上にいる千春がすっごく近く感じました。千春の気持ちがストレートに伝わってきました。
同じコンサートに行っても感じ方は人それぞれだと思います。でも私にとっては、千春のこの言葉が一番インパクトがあったんです。
 
乱暴な言葉を使っても、時々なにもそこまで・・・というようなことを言ったりしても、千春の言葉の底にどうしようもない暖かさを感じてしまうのは、千春がいつもこんな気持ちで歌っているからなんですね。
 
恵比寿に行って、ほんの少しだけ千春に近づけたような気がします。
 

Back to Biography&Discography or 1Page